Lurker Grand / André Tschan
Hot Love - Swiss Punk & Wave 1976–1980
324 pages | 250 b/w and color illustrations and photographs | 25 x 35 cm, Softcover with flaps and two large-format posters DIN A0 | 2006 | German / English
more detail
本書は、初期のスイスパンクシーンにおけるパイオニアの興味深いストーリーを綴っている。この物語は、音楽、人、状況、都市、イベントなどが年代順に記されている。2006年にドイツ語とフランス語で出版され、国際的に大きな反響を受けた。今回第二版は、英語とドイツ語のテキストを用意した。
スイスのパンクシーンは1976年にチューリッヒとジェネバで生まれたもので、ほぼ同時期にロンドンとニューヨークでもそうした動きがあった。Hot Loveはまさに創始期から1980年までのストーリーを完全収録する。この頃パンクは政治的なものとなり、第一世代の勢いは衰退していた。メインストリームカルチャーに辟易していたこと、何か新しく、エキサイティング、ワイルド、熱狂的なものへの探求が第一世代を結束へと導いた。Hot Loveは長年にわたる調査の成果であり、デザイン・音楽・プロダクションといった、失われたスイスカルチャーの素晴らしく先駆的な仕事に焦点を当てている。
Hot Loveのポスター、レコードカバー(Peter Fischli が手がけた Kleenex and Hertzなど)、コミックやファンジン(Paul OttやBob Fischerなど)、音楽(Dieter Meier, Yello, Rudolph Dietrich, Nasal Boys, Kurt Maloo, Troppo, The Bucks, Crazy, Grauzone, TNT, Sperma, Fresh Color)、 写真(Livio Piatti, Pietro Mattioli, Roland Stuckyのコンサートイメージ, そしてチューリッヒ日刊紙Tages-Anzeigerへの写真など)、映画(René Uhlmannなど)、自身がデザインした洋服(Stefi Talmanによる有名なZIP-bootなど)からは、この時代の創造性、エネルギー、クオリティがみてとれる。
本書のブックデザインは、時代のスタイルに立ち戻り、受賞暦のあるスイスデザイナーTania Prillと Alberto Viecelliにより入念に制作される。本書は2006年、The Most Beautiful Swiss Book 2006を受賞しており、DIY精神を表している。また、ただパンクを題材とした他の著書とは異なり、スイスにおいて重要な発展の5年間を、パーソナルで、ユーモアがあり、また刺激的にまとめたアンソロジーでもある。
close