Lutz / Guggisberg
Loch im Spiegel
approx. 92 pages | 27.2 x 22.9 x 1.3 cm, Hardcover | 2011 | German / English
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本書Loch im Spiegel (鏡にあいた穴)は、北京郊外のマーケット、ハンガリーにある砂利採取場の水たまり、メイリンのバイク車庫、ヘンクにあるジャンクショップのショーウィンドウ、ナポリの洋服のウィンドウディスプレイ、スウェーデンにある霊園の開戸錠、ベルン都市部にある劇場内の喫煙所、または飛行機が着陸する間に機内の窓から長時間曝露をしたり、 といった、世界中の至るところで撮影した写真を収録している。
これらの写真は1000点近くもあり、2年間かけて撮影されたもので、そのうちの約70点がLoch im Spiegelシリーズのために選ばれた。特に興味の焦点となっているのは、廊下、洞穴、窓、トンネル、鏡、反射で、文明社会を通して空想旅行をするかのように構成されている。
リンゴなかで果肉を食べながら道を作り出していく毛虫のように、人は人生を通して成長していく。母体とエーテルの間にある文明社会の層は、大抵は30メートル程の厚さだが、その間に穴をあけ、かき回し、掘り下げ、作り上げていくのだ。
現代の考古学
オブザベーションとディスカバリーの現場、駅、独裁、また主観的な視点の必然性。幾千もの入り組んだ小道。宇宙的ネットワークの道々。 巨大な根茎。この写真シリーズに収録されているものの一例である。世界で最も美しいスーステン峠のトンネル視野。荘厳で不毛な土地:産業廃棄場、美術館や自然博物館、動物園、電車の駅、多孔質の穴、偶発的な集団、高低:写真家はカエサルのデスマスクに映し出されているが、かたや路肩に壊れた鏡台を見つける。
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