Mats Staub
Meine Grosseltern - My Grandparents
192 pages | 115 color and b/w images | 15 x 21 cm, Hardcover | 2010 | German / English
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幼少期の記憶の中で、年老いた人たちの思い出というと、とりわけ祖父母の記憶だろう。とはいえ、私たちは彼らの若かりし頃の何を知っているというのか。映画や本の中でしか知らない過去について、最も直接的に関わりのある個人的な繋がりというのは祖父母である。しかし、彼らは当時どのようにして暮らし、恋をしていたのだろうか。今と変わらぬ日常を送っていたのだろうか。
長期にわたるプロジェクトMeine Grosseltern ー Erinnerungsbüro(私の祖父母/思い出の引き出し)において、Mats Staubはサイトスペシフィックインスタレーションの中で、孫たちに自身の思い出を語りかけることでこれら一連の疑問に迫った。このプロジェクトは、祖父母の若い頃の写真のコレクションを見せることで、継続的に拡大していく国際的個々人の歴史の記録として発展している。なかにはアマチュアによる記念写真や、あるときの人、目的といった周囲のようすを捉えた儀式的な写真も含む。
本書においてMats Staubは、あらゆる世代の祖父母を寄せ集めた。最年長の祖母は1945年に他界し、最年少は1939年に生まれている。彼らは世界恐慌、戦争と迫害、戦後復興と近代化を経験してきた。こうしたライフストーリーや写真を交錯して、想像力を刺激する無数の空間を形作る。
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