チューリッヒ出身のアーティスト、Christian Vetterの本[50 Works on Paper]は大型の綴じられていない体裁を取っている。この本には彼が中国のレジデンスに滞在中に製作した２つのフォーマットのグリザイユ（灰色の濃淡で描く単彩画法）が50作品収録されている。
長い間、Christian Vetterは内容を空にすることで、結果として劇的な空虚感が生み出される作品を手がけてきた。この緊張感は彼のランドスケープや建築、記念碑や映画、演劇の舞台にわずかだがはっきりと現れている。白黒の絵がまとめられてたこの出版物は、その先へと進んで、内と外の世界の関連性を考えている。作品群は、世界における人類の立ち位置と、地球上で空間的に占拠している場所に関する疑問を分析しており、顔、鏡そして窓といった題材は、テーマ表すモチーフとして繰り返し登場する。このシリーズを通して、彼の創作活動の視点が、外界から内界へと変化している事を見て取れる。
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