本書は、 チューリッヒを拠点に活動するアーティスト・Daniel Robert Hunzikerの、15年にわたり代表作の選集であり、彼にとって初めてのモノグラフである。
展示室いっぱいに広がるほどインスタレーションや彫刻作品が主だが、また紙や壁を支持体にした近作もあわせて収録されている。

彼はもとは建築を学んでいたが、建築に対する疑問を抱いていたことから、美術作品の制作をするようになった。
彼はものの構成や構造、繋がりのつくられ方、ディテールのようすなどをよく観察していいる。また、あまり目をひかないような建物や、ガレージのランプ、窓の一片、金属の壁板など、身近にあるものに関心が高く、それを空間的に有効な形で削ぎ落とした抽象的なフォルムに落とし込む。作品に使用されているなじみのある素材は、建造物や家具の試作品の類を彷彿させる。 ブックデザインは作品の要素を見事に抽出した編成がなされている。
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