Jean-luc manz
Peintures 1984–2010
160 pages, 138 images | 27 x 22 cm | 2010 | ISBN 978-3-03746-147-1
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Jean-Luc Manzは抽象絵画における絶え間ない会話を自身の視覚言語へと進化させている。彼の構造のほとんどはシリーズ展開されている。それらはシンプルな幾何学模様をつかった実験と、等しく基礎値にかえる色の世界がベースとなっている。レンガの壁、洋服の一部分のディテールあるいは人間のシルエットなどが層となっているのかどうか、他の作品は直接的に現実世界に対する観察がベースとなっている。
スイス・ローザンヌにあるthe Musée des Beaux-Arts開催された個展で、彼は1984年から2010年までに制作したペインティング作品の豊富なコレクションを、なかば回顧展的に発表した。年表のプレゼンテーションこそないが、モチーフ、テーマあるいはシリーズによってグループ化されている。一見するとチェスボードのようなパターンが純粋に抽象的なイメージとしてあらわれ、中央からでも端からでもなくまとまって、際限なく繰り返される。それにもかかわらず、スケッチブックをパラパラとめくると、イメージやオブジェに感化されたことを認めているように見受けられる。こうしたつながりは、例えばタイトルや似たような配色の関連性からわずかにつくられる。
個人蔵あるいはパブリックコレクションの代表作が収録されている本書は、彼が時を経て発展してきた個人的で抽象的な形式言語の集大成となっている。
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