旅をこよなく愛するアーティストIan Anüllは、一連の作品によって、社会において確立された価値にたいしての疑問を投げかけている。チューリッヒで行われた展覧会に合わせて、彼はビデオ、写真、インスタレーション、立体、コラージュ、ペインティングそしてレコードを集め、さらに次の展覧会のために製作した新作までをこの本にまとめあげた。アーティストが権力の象徴とロジックをどれだけ明確に取り扱っているか、鑑賞者に理解を促し、シンプルな素材を使う事で作品にもその事が帯びさせている。
展覧会に平行する形で図版を多く収録したこの本は、彼の作品に対してそれぞれのアプローチを試みた4つのテキストも収録している。
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