Alec Soth
Niagara
With essays by Philip Brookman and Richard Ford | Co-published with Gagosian Gallery, New York. | 104 pages, 50 colour plates | 23 cm x 26.5 cm | Clothbound hardcover | Steidl & Partners | May 2006
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デビュー作、『Sleeping by the Mississippi』に続き、Alec Sothは同じく水を象徴するナイアガラの滝に目をつけた。ミシシッピを撮った写真同様、Sothのナイアガラの写真は自然に対する興味というより人間的欲求に対するものだ。「ナイアガラに行った理由は、新婚旅行客や自殺志願者と同じだ。」とSothは言う。「容赦ない滝のとどろきに心惹かれるから。」
8×10のカメラを使い、2年もの歳月をかけてアメリカ側、カナダ側の両方から見た滝を撮影した。しかし驚いたことに、Sothの撮ったものというのは新婚の男女や裸のカップル、モーテルの駐車場に結婚指輪の質屋などだった。また本書を通して所々にラブレターが掲載されているのだが、それらを書いたのは被写体になった者たち。内容はティーンエイジャーの恋や職場恋愛、失恋に自殺だ。Sothの撮るナイアガラには情熱や失望が写っており、現代の恋愛とその結果の衝撃的肖像だ。
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