暗室はまさに写真が歴史的作品へと変換される場所だ。Bartosは作品と作者の非直接的ポートレイトとして、アーティストとアートワーク、制作ツールとその使われ方の物理的関係性を追った。暗室がデジタルプリンティングなどにどんどんと移行していくに連れ、いつか暗室でプリントされる写真が完全に無くなってしまうかもしれないと実感し始めている。Bartosの近年の大判作品では、視覚的アプローチだけでなくアナログプリンティング文化の精神もドキュメントした。鼻を突く薬品のにおい、じめっとした空気の中に漂う神秘的静けさ - Bartosはこの狭いながらも写真そのものに負けないほど無限のクリエイティビティを持った暗室を記録する。現在ある暗室を視覚的に記録し、いつの日か今と同じように思い出せるように。
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