スイス人アーティスト、Roman Signerは1970年代より従来の語彙では説明のできないような作品を作り続けている。作品や行動を客観化し、“彫刻”の概念に独特な解釈を与えることで知られている。Signerの見る彫刻とは静止的物体ではなく、もっと自然や物理的力によって影響される可変的事象（malleable events）だ。Signerのエキシビションでは、物体やインスタレーションを実験的装置や映像として、または様々な場所で刻一刻と変わりゆく景色を背景に、それに逆らうように行ったアクションの記録とする写真を展示している。しかしSignerが20年以上にわたり撮影してきた『Reisefotos』シリーズ（旅行中に出会った興味深い状況を撮った写真郡）は今まで展示されることも出版されることもなかった。この写真集はSignerの広域な写真を収録し、彼の作品の知られざる側面を紹介する。
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