本書で記録している展示会、そしてタイトルでもある[Sounds Like Silence]は、曖昧だ。静寂は効果的に「音」を発し、ジョン・ケージ曰く、「静寂というものは存在しない」。一方で、音は静寂があってこそ、聞こえることができる。完璧な静寂というものは存在しなくとも、それぞれの音は静寂の概念を伝えている。不在がなければ存在はしない。このタイトルに含まれた二つの意味が、このプロジェクトの中心的な議論となる。私たちは、無音の中で何を聴いているのか。どの範囲で静寂を求めるのか。そして、どのくらいの時間、静寂と向き合うことができるのか。もしも、本当に存在するのならば。
ジョン・ケージの[4`33``]は1952年8月29日に発表された。本書は、この画期的なプロジェクトに関連した新しい理論的な文章やアーティストの作品を提供している。同時に、1962年から1992年の[silent piece]のオリジナルの楽譜や作曲家独自のバリエーションや派生したもの、そして続編を含んでいる。
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