伝説的なトランクメーカーであり生涯にわたり旅人であった、ルイ・ヴィトンの孫でもあるガストン・ルイ・ヴィトンは、3,000のホテルのラベルというユニークなコレクションを収集していた。プロモーションの目的も兼ねてゲストの荷物に貼り付けられたこれらのラベルは、はるかかなたの旅先を思い起こさせ、またトランクの持ち主の素晴らしい旅の証となった。これらのラベルは当時のグラフィックデザインの典型的な例でもあり、また旅がまだ冒険でもあった時代の特別なライフスタイルを反映している。ホテルのアイコニックな表現や、ラベルに起用されたタイポグラフィーや色づかいは、20世紀前半という時代感覚や当時の旅のスタイルをありありと物語る。現在はヴィトンのアーカイブハウスに収蔵されている800点以上のホテルラベルはガストン・ルイ・ヴィトンのコレクションによるもので、旅というものが人生における芸術であったツーリズムの黄金期における豊富な写真や図版もあわせて収録されている。
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