90点の写真が収録された本書は、写真家パトリック・ファイゲンバウムの、初期から現在にかけて核となる白黒写真に焦点を当てている。ほとんどの写真が未発表の作品であり、それらには全体感を作り出すリズムから、静寂と音、親密さと外面性が共に成り立つ楽譜と類似している。彼は1980年代におけるイタリア貴族の中でも重要な家族を撮影し始めた。謹厳なポートレート写真は厳密なフレーミングの点で19世紀の公的なポートレートの形式を反映している。本書において彼はそのレンズを整然とした背景に対して、例えば妻や母親のようなより親密な対象に焦点を当てた。彼はまた、リス・シャンティイの田園風景から街の風景まで、近作だとバルセロナやプラハ、ブレーメンなどで野外を描写した作品群を制作している。 数点のポートレートや静物の写真が効果的なアクセントとなっている。約30年間パトリックの作品に協力してきたジャン・フランソワ・シェブリエによるテキストを通じて、彼のキャリアにおけるアプローチ方法を探っていく。
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