このインティミストなシリーズを通してセドリック・デルソーは虚構の中にある現実性について探求を続けている。ジャン=クロード・ロマン事件（エマニュエル・カレールの小説「対審」、そしてニコール・ガルシアの映画によって一般的に知られるニュース）から強く影響を受け、彼はスイス国境沿いにあるゼックスの広範囲を3年間旅した。車内でひとり、時には何時間もセドリックは18年もの間自身がついた嘘の中でどのようにこの男が何を感じていたのかを捉えようと努めた。これら無類の写真群による人をかき乱すようなシリーズは、まるで新しい文学形式を通して表現されているかのようだ。この経験を通してセドリックは、自身がこの事件に対して注いできた全てのものとこのエリアに関する理解がどのように形づくられていくのかを忠実に伝えようとしており、それによって私たちの「フィルターのかかった」現実を見せてくれるのだ。フレーミングとライティングの完璧な精通を通し、これらのイメージの疑いのない美しさは強情な社会のヴィジョンを明らかにする。
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