ANTOINE D'AGATA
ANTICORPS
560 pages | Hardcover | 195 x 260 mm | ISBN : 978-2-36511-003-7
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「関係のない男の緩やかな没落、長い遠征からの逃亡者、それは部屋から部屋へと繰り返す」
アントワン・ダガタは撮る世界を演出することはなく、静かな目撃者、あるいは根気強い傍観者でしかない。彼は向こう見ずに突き進み、私たちをこれらの日常、あるいは肉体、虚空、死と快楽が与える強烈な体験へといざなう。彼の作品には本質的な価値と同様に切迫したようすが存在する。
自叙伝体の日記、無秩序な生き方の年代記、生きた状況のなかで生まれた入念だが即興的なことばを一掃するために写真家独自の度量によって支えられた親密な衝突。
本書を通じて夜の中へと目が回るほどにダイブし、ダガタの相反するふたつの世界の間にある権力関係に対する考えを明らかにしている。社会的な疎外感から肉体的な結束、不道徳性から超道徳性における透明性、政治からポルノグラフィ、中毒から薬物的な虚弱、対話から衝動、官能的な混乱からヒステリー、知覚から行動、世界の無意識な統合から明瞭さ。(ジュゼッペ・クリッチア)
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