もしあなたが本当に何かを欲するならば、それを書いてみよう。（アリギエロ・ボエッティ）
この本はプリンターとしても精力的な活動を展開していたボエッティの取り組みを幅広くまとめたもの。自身のアーティストブックからポスターや展覧会のインビテーションカードはもちろん、長く携わっていた「マニフェスト」紙の注意深くみていく。ボエッティは植字工であり、また自身の作品のディレクターでもあったので、クリエイターの役割からグラフィックアーティストへ移行するようにして、手がけた作品の有益な素材を書き直したりデザインし直したりした。限定数の入った赤いクロス貼りーそれはボエッティのトレードマークでもあるーを施したこの本は、共通したあるものによってつながっている。それらは実のクラフトマンシップの一片であり、印刷とアートにおける伝統の融合である。
アリギエロ・ボエッティの本は、時代性に彼が無頓着なこと物語っている。その表層や、物事が見え始めた方法を超えるため、新しく、簡潔かつ親密な感情的リアリティという状態をより深いレベルで到達するための彼の執念や情熱について語っている。彼のアーティストブックでは、抽象的なリアリティ、つまり証明できないようなことを調べたり、私たちのまわりにある理解されにくい定義を掴むということに臨んでいる。
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