この本は近年注目されるフィンランドの写真家、サンナ・カニストの初となるまとまったモノグラフで、芸術と科学の双方を背景にした自然と文化の弁証法的な作品を収録。1997年以降、カニストは１年のうち数ヶ月を南アメリカの熱帯雨林で生物学者とともに過ごす。そこで動植物を被写体として仲間の科学的な方法を取り入れながら、自然科学の枠を超えて彼女らしい作品を作り上げていく。その作品は単純に自然の美しい様子を単純に撮影するのではなく、その自然物を採取したり、記録したりするための背景も含めて撮影される。それは熱帯雨林の中には場違いなものとして写るが、科学と写真、その制約を理解し、それを利用するというユーモアによって、私たちが自然をどのように観察して理解していくのかというその現実を明らかにする。
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