1980年代に台頭したデザイナー集団メンフィスの創設者であるエットレ・ソットサスの作品といえば、カラフルで奇抜な家具・陶磁器・照明器具が有名だ。彼のキャリアはオリベッティのデザインコンサルタントとして従事したことに始まる。彼がかつて述べたことを引用するならば、「私が若いころ、機能主義、機能主義、機能主義と繰り返し聞かされた。だがそれだけでは十分でない。デザインは官能的でエキサイティングでもあるべきだ。」この遊び心は間違いなく彼の作品にも通じる。本書では、これまで未発表だったドローイングやスケッチの数々からそのキャリアを全体的にみられるような構成となっている。年代順に整理したうえで時代ごとに分類し、さらにその時代ごとに関連性のある分野で章立てることで、全編を通して物語的な歴史としても、あるいは分野ごとに読み進めることもできる。
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