ベルギー出身の画家、リュック・タイマンスの作品集。2005年から2010年に制作された7つのシリーズを収録している。一連の作品は、現代文明における哲学的で超自然的なルーツをたどり、ありとあらゆる写真イメージのソースを編み合わせて、現代の陳腐でぞっとするようなストーリーを語る。本書ではこのイメージソースとともに100を超える最新作のペインティングや未発表作品を取り上げる。
ふたりのアーティストによる序文では、歴史的・哲学的な文脈からの考察や、その一方で作品を詳細にみていきながらテーマや源泉をたどっていく試みがなされている。加えて、タイマンスとそのアシスタントへのインタビューでは、アーティストの考えや動機における付加的な洞察をもたらす。世界でもっとも有能で明確なビジョンをもった画家のひとりと見なされるタイマンスは、ここ30年間の現代絵画において象徴的な作品を制作してきた。不可解な構成や変調的な色彩が特徴の作品群が感動的なのは疑いの余地がない。
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