ロバート・マンゴールドの穏やかな曲線を描く雄大な絵画は、20世紀末のもっとも美しい抽象作品といえる。1960年代に登場したマンゴールドは、非階層的な構造やシンプルな幾何学的形態を用いることから、よくミニマルアートと関連付けられる。繊細な色彩と柔軟に手描きされた図柄は、伝統的なギリシャの陶芸からピエロ・デラ・フランチェスカのフレスコ画まで、多様な起源を彷彿させる。今日におけるもっとも熟達した画家として評価されるマンゴールドの作品は、世界の傑出した美術館にコレクションされている。初めての包括的なモノグラフとなる本書は、錚々たる現代美術界の著述家たちが寄稿したエッセイを収録している。
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