アニッシュ・カプーアの彫刻はミステリアスであり美しい。雪花石膏や砂岩といった伝統的なものから、研磨したスチールやポリ塩化ビニルのようなハイテクなものまで、ありとあらゆる素材を用いて制作された作品群の真の主題は、裂け目、反射、空気柱など、しばしば非物質的でつかみどころがない。
カプーアはイギリスの彫刻家世代（他にはトニー・クラッグ、リチャード・ディーコン、アントニー・ゴームリーがいる）に属し、ミニマリズムの黎明期において、新しいバイタリティもしくは遊び心さえもを吹き込むことで、彫刻をリバイバルした功労者だ。ターナー賞を始めとする数多くの国際的な賞を受賞したことからもわかるように、豊かな創造力の賜物であるパブリック彫刻は世界中の人々から愛されている。30年以上にわたって制作された作品の作品図版をふんだんに収録した本書には、デイヴィッド・アンファムやジョアンナ・バートンによる寄稿や、ドナ・ディ・サルヴォによる洞察に満ちたインタビューを収録している。
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