オランダのジャーナリスト写真家、ヘールト・ファン・ケステレンはイラクの難民たちがどのように生活をしているのか、その状況を明らかにするためにこの写真集を制作した。収録された写真は、現地で生活する人々が携帯電話で撮影した写真で、難民たちのリアルな視点が写真には写されている。新聞紙を使ったブックデザインはこの作品のドキュメント性を強調し、新聞の断裁時に発生する針穴によって生じるページ同士の付着は、ページをめくると徐々に現地の状況が明らかになるこの本のコンセプトを読者に体感させる効果をもたらしている。
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