Janet Russek
THE TENUOUS STEM
224 pages | hardcover | 241 x 267 mm | English | ISBN: 9781934435700 | 2013
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写真家のジャネット・ルセックは長きにわたり、ライフサイクルの辛辣さや約束を作品におけるテーマにしている。本作を始めたきっかけは、ある人を失ったことによる悲しみに暮れているとき、植物の種や茎を見て、新しい生命の誕生の可能性に気づいたことだった。1989年、彼女のメンターであり友人が彼女にモノレールカメラ(*1)を手渡した。普段は4x5カメラを使用していた彼女にとってそれは大きすぎて扱いに苦労したが、唯一スタジオでの撮影には向いていた。初めてこのカメラで静物写真を撮影したのは手に入れてから数年後のことだった。自然光のみで熟したかぼちゃ、桃、梨などを撮影し、妊娠の豊かさをほのめかした。その後、野菜や根、そしてついには成長しすぎて腐敗してしまいそうな植物も撮影するようになった。さらにこのプロジュクトを拡張し、より暗い部分を探求していくために人形も被写体に加え、子ども時代と親になることの心理的な部分をより強く表現した。個人的な所有物を撮影した思い出のシリーズは過去に耳を傾け、本書をまるでライフサイクルそのもののようにひとつの環に繋げた。
*1 モノレールカメラ:大判カメラの一種
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