Mark Klett
EL CAMINO DEL DIABLO
172 pages | Hardcover | 304 x 254 mm | English | ISBN: 9781942185017 | 2016
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写真家のマーク・クレットは、歴史に関する写真を語るうえでの中心人物である。本プロジェクトは若い採鉱エンジニアであるラファエル・パンペリーが1861年に書いたアリゾナからメキシコまで続く、通称「悪魔の道」を旅した記録にもとづいて進められた。死と隣り合わせにある危険に対する不安を感じながらも、彼の周りを取り囲む自然の美しさに感謝しながら、広い砂漠を130kmも旅していった。152年後、クレットは同じ道を旅し、パンペリーの言葉に対する返歌のように写真を撮った。特定の場所や出来事への忠実な参照ではなく、2つの異なる時間をつなぐ共通のルートに沿い、アリゾナの砂漠での経験を共有するための詩的な物語を作り出すことに努めた。カミーノは今日もなお、襲撃の恐れだけでなく厳しい気候により旅行者を死に追いやるような危険を孕む一方で、実はソノラン砂漠地域でもっとも美しく、そのままの自然が残る場所でもある。カミーノには暴力の歴史と境界に沿った監視を表す占領されたような空気感がある。時には悲劇もあっただろうが、それは人がそこにいたということの軌跡なのだ。人々が通行した印は、アリゾナの乾燥した気候の中、何世紀も残っている。一過性、危険、美しさの交差点としてそこに位置している。
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