大規模な作品をむき出しの土壌や干上がった湖の上に引き伸ばして発表することで知られているジム・デネヴァンは、一時的なキャンバスを探し続けている。こうした経緯により、文化人類学者のチームが2010年にデネヴァンのプロジェクトに参加した際、彼とそのチームはシベリアにある世界最大の湖、バイカル湖の凍った表面の上を何千マイルと旅をした。常に気温は氷点下で風は猛烈に吹き荒れるなか、5人の参加者はフィボナッチ数列（*1）に基づき氷の上に円を描いていった。完成した作品は、これまでで最大のものになった。本書には、ピーター・ヒンソンとジェイク・バーグハートによる写真と、メレディッチ・ダンロックによるドキュメンタリー映像とがまとめられている。

*1 フィボナッチ数列：最初の二項が1で、第三項以降の項がすべて直前の二項の和になっている数列のこと。
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