これまで30年間、アメリカのカウボーイはプリンスの最も貴重な作品の一つに大きな役割を果たした。1980年代から現代まで時空を超え、カウボーイから影響を受け広告業界の為に再び撮られた写真からは、彼のアメリカ的アイコンやマスメディア、再写真の技術との関係性を見る事が出来る。
本作で見られるペインティングは象徴的なものであり、一見するとカウボーイという逆行的なステレオタイプのイメージを再構築しているかのように思えるが、もう少し綿密に見てみると、疑う余地のない要素として、彼による土地と人物の横柄な演出は単なる口実ではなく、こうした実験的な作品を制作するにあたる喜びが垣間みられる。みずみずしい青い大地は何度も変化し、原風景をなくしていくにつれて、あらゆる環境の状況や性質に対して溶け込んでいく。それは、ぼんやりとした夏の日差しのパステルであり、バラのような夜明けや朱色の夕陽、山の新鮮な緑や不気味な夜の暗さを表現している。
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