Fiona Tan
Vox Populi, Sydney
128 pages | Full colour | 178 x 126 mm, Soft cover | 2006 | Edition of 1,500 copies
more detail
2006年のシドニービエンナーレに招聘されたFiona Tanは、約90人ものシドニーの住人の協力のもと、家族アルバムの写真イメージを集め、シドニーの現代美術館の壁に写真を使ったインスタレーションを制作した。この会期にあわせてシリーズ第2弾となる[Vox Populi, Sydney]を出版した。このシリーズはとある国やコミュニティの個人的でプライベートな家族アルバムから写真を集めて’スナップショット’として紹介するもの。
vox populi’シリーズにおいてTanの関心は、長年にわたるドキュメンタリーの伝統における長年の関心へと拡張し、シリーズのなかでもっとも平等主義的な体裁となっている。(ポートレイト、家庭、自然体の3とおりの似通った系統のなかでゆるやかにアレンジされた)写真は、まるでおなじようなプライベートな瞬間を捉えている。赤ちゃんの誕生、誕生日、一家団欒、思春期、祝祭日、兄弟姉妹、初恋、お気に入りの場所。視認性の高いランドマークは写真の起源をひも解く糸口となるだけではなく、コーカサス、アボリジニ、アジアやインドといった多様な民族が共存する現代のオーストラリアの生活を反映する。写真は国や国籍に関しては代替できる瞬間やイベントを捉える。
読者は魅惑的で人気のある民族誌学に引き込まれ、プライベートで親密な写真イメージに触れることで、共感やノスタルジーといった感情がわき上がる。アイデンティティやユーモアで公的な国家のポートレイトに挑む。
本書はBook Worksとシドニービエンナーレとの共同出版による。
close