「アメリカを旅し、多くの街で見かけるあるパターンに気がついた。それは街の治安の悪いエリアにいる白人女性たちである。概して若く、かつては美しかったであろう彼女たちは、往々にして麻薬中毒者だった。そうして深刻なヘロインやクラック中毒者と私は話し始めた。多くの女性たちは以前売春の仕事をしていたことを認め、自らを硬い殻の中に閉じ込めているようだった。その事実は突き刺さり、私自身の記憶と深く繋がった。
これらの女性たちの中に自分の母とその人生をみた。彼女は薬物とアルコールの中毒者だったのだ。そこで私は彼女達が集まる場所に行き、写真を撮らせてもらえないか頼んだ。この個人的な動機は売春とドラッグ中毒者をテーマにした現在進行形のこのプロジェクトを推し進め、本書を作ることにつながった。私はマイアミのオーバータウンに住む女性達の写真を撮るために再訪し、インタビューをした。彼女たちが苦しみ、希望なく生きていることに衝撃をうけた。我々は彼女たちを無視するが、彼女たちは確かに存在し、「残像の向こう側」で生き延びているのだと、 Trishは言う。
私はこのプロジェクトを今後も続け、ドラッグが彼らに及ぼした影響について考えたいと思う。人々が彼らの顔を見たとき、彼らの苦しみをそこにみると言うのは興味深いことだが、これは誰の愛する人にも起こり得えることで、例えば自分の母親の顔を見なければならない時のことも想像してみて欲しい。
close