Todd Hidoが以前の作品でも手がけたアメリカの風景をテーマとした作品集。都市から離れた寂しい道を走りながら、説明のつかない重厚さに満ち、集合的な記憶になぜか残っている映画的なシーンのような、強烈なイメージを生み出した。これらの作品によりHidoは、猛烈な雨や氷を通して撮影された夜の作品群の特徴となっているハードエッジをそえる事で、彼にとって日中の領域が流動的である事を示した。このHidoの作品は困難、かつ強力な方法が美しさを生みだし、過度に風化したそのイメージは印象派の絵画を思わせる。車内から画角を決め、フロントガラスから撮影し、それを拡張レンズのように使うという極めて現代的な手法によって、この静止した風景に間と一瞬の感覚を与えている。
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