Amc2 journal Issue 9
136 pages | Softcover | 210 x 280 mm | ISSN 2048-4135 |
published October 2014
more detail
先史時代から現代に至るまでの資料や記録を蒐集するAMCから発行されるAmc2 journalシリーズ。写真を中核とした幅広いテーマを扱う膨大なコレクションの中からイメージを編集し絡み合わせることで、思い掛けないような世界の本質が浮かび上がってくる。Issue 9では、爆破事件や誘拐、暗殺など武装組織によるテロが相次いだイタリアの「鉛の時代」を取り上げている。イタリア共産党の勢力が高まったことが国内の右翼及び左翼団体やアメリカ合衆国とソ連から反感を買い、イタリアが恐怖時代を迎えるきっかけとなった。事態の裏側では様々な組織による秘密工作が行われ、ある団体が実行した暴挙を別の団体による仕業に仕立て上げるなど、不正が頻繁に働かれた時代となった結果、イタリアには「dietrologia(表向きの説明の裏には別の真実がある)」という意味を持つ言葉が新たに生まれそういった考えが根付いた。ローマを拠点とする「Team Editorial Services」が所有するアーカイブの中から選ばれた報道写真の背景からは、産業不安や性革命などの同時代に発生した様々な現状も見て取れる。当の黒幕達は写真には映らず確実な真実を提供することにはならないが、これらの写真は動乱の時代に起こった数々の凶悪事件の断片的な証拠となっている。本書は2014年にBrighton Photo Biennialで開催された「Amore e Piombo: The Photography of Extremes in 1970s Italy」展に併せて出版された。
close