Antony Cairns
LDN2
96 page | Softcover | 250 x 340 mm | 76 unbound | ISBN 978-0-9570490-2-4 | published July 2013
more detail
ロンドンのイーストエンドに生まれた写真家アントニー・ケアンズは、15歳の頃から写真を撮り続けている。彼が生まれ、自ら”故郷”と呼ぶその大都市は常に彼の創作のテーマの中心にあった。印刷分野に特化した大学「London College of Printing (現 London College of Communication) 」で学んだ彼の写真技術は極めて伝統的な薬剤ベースのものであり、現在でも白黒のフィルム写真に拘って撮影し、自ら現像やプリントの処理も行う。時にはその不完全さや奇妙さに魅了されることから、すでに忘れ去られたような手法や実験的手法をも用いる。 透過性フィルム上にイメージを投射しそれをアルミニウムにマウントすることで、ケアンズはフィルムとプリントを無数の薬剤反応にさらし、それが露光過度や水の滴るようなカーテンの向こう側できらめき脈動するがごとく、注がれては滴り落ちていく金属的なイメージを形成する。本書は2010年に手製本として出版された「LDN」をAMC BOOKSによって新たにデザインされ完全に生まれ変わったセカンドエディションである。クラロペーパーを大判サイズで採用したこの新たなエディションは、見るものを過去が明滅する不可思議な都市の深夜の冒険へと誘う。
close