第一巻となる本書は、トーマス・バイルレの多様な表現方法を初期のキネティックマシンから近作のエンジンインスタレーションに至まで紹介する。バイルレの代表作であるセリグラフィやスーパーイメージだけでなく、彫刻作品や初期のグラフィックデザイナー／出版者としての作品（バイルレの全アーティストブックも図版入りで紹介）またビデオ作品にも焦点を当て、本人によるテキスト（1981年『San Francisco Diary』より抜粋。再版は本書が初となる）やコンクレートポエトリーからの抜粋とともに多数の図版を添えて紹介する。この広範囲に渡るアプローチこそバイルレの作品において常に活気を与えていた要素であり、消費主義、消費社会、政治的プロパガンダ、うねり、模様、運動、セクシャリティ、政治といった多様な要素を包括する。
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