光は視覚をコントロールし、空間感覚やムードさえ変えてしまう力を持っている。本書では光を芸術的「媒体」として詳細に追っている。20人のアーティストを対象に、現代アートにおける光を使った空間的視覚の変更を彫刻的視点から取り上げる。本書で取り上げている個々の作品は色、持続期間、ブラックライト、影、自然光、人口光、プロジェクションなど、ほとんどが体験型の状況を作り出す美的質の探求を主としている。また光を使った表現方法は社会的あるいは政治的関心による場合もあり、LED、特注の電球、コンピュータで制御された照明など最先端のテクノロジーをつかった光のコンテンポラリーインスタレーションを駆使している作品もある。光は彫刻やインスタレーションといった文脈に欠くことのできない要素である。本書ではその他、各アーティストの光に対するアプローチをまとめたプロファイルも収録。
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